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アラフォーうつ病独身短足ブサイクがメガバンクに就職できたお話

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はじめに

人生少しだけ盛り返せたかな?
イタチの最後っ屁的な。

奇跡が起きた。

2年前にうつ病を患い、無職となっていましたが、先日ようやく次の職場が決まりました。
もう奇跡だよ。
と言っても、僕1人では到底成し得なかったでしょう。
就労移行支援事業所の大きなお力と運も味方していた事が大きかったです。

今回は、通っている就労移行支援事業所がどんなところなのかを中心に、内定を勝ち取るまでの経緯を書いていきます。
このブログは1日に10pvも行かないところです。
なので、同じ境遇に苦しんでいる方の目に行き届くことは無いかもですが…。
もしかしたらを信じて、僕と同じ境遇で悩んでいる方の助力に少しでもなれれば幸いです。

尚、僕がそうなので、あくまで精神障害者視点で書きます。
就労移行支援は、身体障害者、発達障害者、知的障害者などなど、あらゆる障害をお持ちの方々が通っておられます。
精神障害者しか通えないという訳ではありませんので、予めご承知ください。

就労移行支援事業所とは

そもそも就労移行支援事業所ってなんなの?って話ですよね。
僕は去年の夏まで存在すら知りませんでした。

ざっくり説明しますと、「65歳未満の障害を持つ人の就労をサポートしてくれるところ」です。
細やかなことは国が定めている障害者総合支援法にあり、民間企業がこの法律に則り、法律の範囲内で障害者をサポートしてくれるサービスです。

名称が似たサービスに「就労継続支援」というのがありますが、こちらとは別物です。
就労継続支援は、障害者に「働く場」を提供するのに対して、就労移行支援は「働く為の知識やスキルを教える場」です。
社会人マナーであったり、パソコンスキルなどを教えたり、磨いたりすることを目的にしているのです。

国が提供しているサービスなので、利用するには、先ずお住まいの役所に申請する必要があります。
1~2ヶ月で申請が下りると、サービスを開始できます。
利用料金は、「過去1年間に収入が無ければ無料」ですが、収入がある場合は一部を負担しなければなりません。
負担額は市区町村で異なり、横浜市の場合は9300円/月でした。
恐らくですが、大きく変わっては来ないと思いますが、申請時に確認する事をお勧めします。

月に利用できる日数も市区町村によって決められており、こちらも横浜市では「月の最大日数-8日」でした。
10月なら「31-8=23」なので23日。
11月なら「30-8=22」なので22日という具合です。
因みにお隣川崎市は毎月22日らしいです。

他、地域によっては交通費が支給されますので、やはり申請時に確認されると良いでしょう。


利用期間ですが、これは人によって様々です。
1カ月で内定を勝ち取った猛者もいれば、2年半掛かった人もいたそうです。(これは実話)
多くの場合は1年前後と思ってもらえると、そう間違った認識は持たない筈です。

利用開始までの流れ

では、利用までの流れをざっと説明しますね。
僕はリタリコワークスという就労移行支援事業所を利用していました。
何故かって?
ググった時にトップにあったからですw
利用してから知ったのですが、日本で最も歴史のある事業所らしいです。(本当かどうかは不明)
ここを例にとって説明します。


先ず、HP(か電話)で見学予約をします。
最寄りの教室、日時を選択して送信すると予約完了です。
電話でも出来ますが、パソコンを使える状態であるならば、ネットからの方が気楽なのでいいんじゃないでしょうか。

当日決められた日時に伺うと、「就労移行支援事業所とは何ぞな?」「リタリコワークスって何するところ?」という説明があります。
凡そ30分から1時間で終わります。
もし、実際に障害者(本利用者)が利用している様子をご覧になりたい場合は、利用時間帯に予約を取ることをお勧めいたします。

リタリコの場合は、現在
月、火、木は9時から15時。
水、金、土は9時から12時となっております。
(教室によって異なる場合があります。)


教室の雰囲気、スタッフの態度、おおよそのカリキュラムに納得出来ましたら、体験利用を行います。
3日前後実際に通ってみて、プログラム等に参加します。
本利用者と同じ訓練を受けられますので、どういう所なのかを肌で感じることが出来ます。

この体験利用で問題が無く、利用したいなという気持ちになると、いよいよ本格的な手続きに入ります。
お住まいの地域の役所に行き、必要な手続きを踏みます。
特に問題無ければ、1~2か月後に許可が下りるかと思います。

利用する前の注意事項

就労移行支援サービスは生涯通算2年間しか原則使えません。
場合によっては延長の認可も下りるようですが、こればかりはお住まいの地域の役所の判断によって異なります。
必ずしも2年以上使えるという訳ではないのです。

だから、利用したい場合は、2年間をフルに有効活用しないとじゃないですか!!
2年なんてすぐですからね。

なので、利用する前に必ず守った方が良いことを記します。
1つ。体調を安定させておくコト。
何度も書きますが、僕はうつ病です。
精神病の方の多くが当て嵌まると思うのですが、不調で動けない時ってありますよね。
そうなると、頭では行きたくても、体が動かずに休むということになります。

月に3日とか4日なら問題ありませんが、それ以上になると大変勿体ないです。
リタリコの場合は確か月4日までならば休んでも問題無いのですが、それ以上休むと最悪「利用休止」となる可能性があります。
休止期間が「利用限度の2年間」に含まれなければ別に良いかもですが、そうじゃなければ、貴重な時間を空費することになりますよね。

そうじゃなくとも、企業は「体調が安定し、問題無く勤め続けられる人」を欲しています。
精神障害者の就職率の低さは、これが原因と言われています。(休みがちだと思われている為。実際休みがちになりやすいですし)
この状態に持って行けない限り、就職活動もさせて貰えません。

リタリコでは、入所してから暫くは「生活リズム(体調)を整える」ことから始まります。
なので、最初から「無遅刻無欠席早退もしません」という理想的な状態である必要はありませんが、休みを月に1~2日程度におさめられる程度の体調は必要かと思います。

僕は、ギリギリそういう状態でしたが、それでも「週5の朝9時から終わりまで」通えるようになるまでに半年程掛かりました。
早く就職したいのであれば、寧ろ、治療に専念する期間を十二分に取るべきです。
体調が整わずに、辞めてしまったという方も見てきました。
サービスを利用できる時間は有限です。
焦らずに治す事が、結局は一番の早道なんではないかと思います。


注意事項2つ目は、疑問点・懸念点は残さない事です。
これ割と重要です。
正しくどういうサービスが受けられるのかを認識する事って、利用し続けられるか否かを左右するほど人によっては大事になってきます。
些細な事であろうと、引っかかった事は見学時や体験時に質問しましょう。
コミュニケーションが苦手で難しい場合は、例えば、紙に書いてスタッフに見せて下さい。
スタッフはあらゆる「苦手」でも受け入れてくれるはずです。
もし、そこで難しい顔をされたり、拒否されたら、別の就労移行支援事業所を探しましょう。
僕はリタリコの回し者じゃありません。
地域によっては、就労移行支援事業所が複数ないこともあるかもですが、ある場合は、可能であれば1つでも多くの事業所を見て回っても良いと思います。

安心・納得して通い続けられる事業所を見つけることが大事です。
リタリコが合わなくて辞めて行った人も何人かいました。
自分の感性を大切に、自分に合う場所を探して欲しいです。


3つ目。やや2つ目に含まれるのですが、就労移行支援サービスは、職業あっせん事業サービスではありません。
あくまでも「就職のサポート」が主たる事業内容になります。

確かにスタッフの方から求人を勧められたり、リタリコでは独自の求人(ハローワーク含め他には無いリタリコのみの求人)への応募が可能です。
説明会、合同面接会も頻繁に開催されます。
が、しかし。
あくまでもサポートなのです。

基本は、自発的に活動する必要があります。
待ちの姿勢でいたり、そういう考えでいると「いつまでも就職できない」「話が違う」とストレスを溜めることになります。
会社説明会や面接会には積極的に参加し、場合によっては、エージェントサービスに申し込むことも必要になるかもしれません。
模擬面接(面接の練習)や応募書類の添削、企業によって異なりますがスタッフの面接同行など「内定をもらう為のサポート」は全力でやってくれます。
しかし、はじめの一歩は自分自身で踏む必要があります。
「企業の選定と応募の意思」。
ここまでを率先して行っていく姿勢が求められますので、ご留意しておいてください。


以上3つを特に注意し、懸念を払ってから本利用に進むようにした方が良いです。

*

リタリコワークスの訓練の流れを書いていきます。
入所すると先ず担当がつきます。
連絡や相談などはどのスタッフにしても問題ないのですが、基本的な窓口は各々の担当スタッフを通す事になります。
こちらから指名する事はできませんが、障害の特性上「男性が良い」とか「女性じゃないと」という場合は早めに申告しましょう。

担当スタッフが決まると、担当とサビ管との3者面談を行います。
ここで当面の目標(指針)を作成することになります。
2~3カ月ごとにこの面談が行われ、その度に新しい目標設定を行っていきます。
「達成しないといけない」とか「目標と別な事をしてはならない」訳ではないので、軽い気持ちで臨んでください。
分からない場合は、担当が適切な目標を設定してくれますので、ご安心ください。

尚、サビ管とは、「サービス管理責任者」のことで、就労移行支援サービスを提供する際に必ず1人配置しなければならないポジションのスタッフです。
一般スタッフよりも偉いスタッフという認識でまぁ、大丈夫です。
障害者支援を一定期間(3~10年)行った実績と特別な研修を修了する必要があるので、経験と知識は図抜けています。
なんかあったらサビ管の力をメッチャお借りすることになるので、仲良くなっておくと得です。

担当がついて、目標設定をして。
あと、いくつか面接があるのですが、細かい事は省きますね。
取り敢えず、何かあったらすぐにスタッフと話を出来る環境があると思っておいて下さい。

大体この面接で、通所の頻度が決まります。
基本は9時から15時ですが、はじめは無理しない範囲で週3午前中のみとか。
朝が弱ければ10時から始める事も可能です。
慣れたら増やして、多ければ減らす。
個別に個人の体調に合わせて調整してくれますので、自分に合ったペースで通えます。


1日の流れとしては

時間 出来事
9時 朝礼
10時 午前プログラム
11時45分 午前終了
13時 午後プログラム
14時50分 終礼

プログラムは、1回につき1時間~1時間半です。
内容は上にも書きましたが、マナーやスキルに関すること、模擬面接や面接対策、応募種類の書き方などなど。
社会人経験が長い人には不要と思える事も多いですが、障害特性に関するプログラムは参加された方が良いです。
尚、プログラムは任意参加です。
通所している間に、全てのプログラムを受講しなければいけない訳でもありません。
必要な場合に参加するような姿勢で問題ありません。

それ以外の時間は個別訓練となります。
というか、1日の大半は個別訓練だと思っていて間違いないです。
この時間を使って、スタッフと面接をしたり、応募書類を作ったり、求人を検索したりします。

とはいえ、初めのうちは時間を持て余すんですよね。
なにもやることない、つらい…ってなる。
困ったらとにかくスタッフに相談しましょう。


基本は教室内での訓練になりますが、その他、教室外での訓練もあります。
主に企業実習ですね。
1日で終わる単発のものもあれば、2週間以上の長期実習もあります。
この他、イベントのお手伝いをする単発の実習や企業説明会等など。
スタッフが同行しての訓練が色々とあります。
参加は任意。

教室での実際の訓練はこんな感じです。
どちらかというと緩い空気感で、マイペースに取り組めるところです。

就職現場の実際

一番の疑問は、「本当に就職できるの?」ってところだと思います。
僕がそうでした。

努力と運次第ではありますが、今はチャンスであります。
2018年4月に法律が改正され、企業が雇用しないといけない障害者の割合が2.2%に上がりました。
ここ数年特に精神障害者の割合が増してきており、この法改正を機に更にチャンスが上がってるそうです。
売り手市場なのは間違いありません。
(障害を開示した就職に限ります。障害を隠して一般枠で応募した時は、当然この限りではありません。)

とはいえ、そう簡単でないのも事実。
決まらない場合は、数十社と受けないとならないほど過酷です。
この辺は健常者も同じですけれどね。

雇用されやすい状況なのは間違いなく、では、社歴やスキルはどうか。
経験者じゃないと厳しいのではという疑問もあるかもです。
よほど専門的な仕事では無い限り、未経験でも問題ないです。
この辺はあまり考慮されません。

上にも書きましたが、やはり「働き続けられるかどうか」が企業にとっては一番の懸念点なんですよ。
働き続ける事を証明する為に、自分の障害を理解し、悪化時の対処法を説明できることが大事。
このあたりの整理は1人じゃなかなか難しいところですので、就労移行支援サービスを頼りまくりましょう。

あとは数字です。
どの就労移行支援事業所でも同じだと思いますが、通所率というものを計算しています。

例えば、1か月に20日通所する予定を立てて、20日休まずに通所出来たら100%。
1日休んだら95%という具合です。

企業には、この直近3カ月(事業所によって異なる可能性があります)の通所率がデータとしていきます。
もし、この数字が100%ならば、「私は休むことなく通えます」という証明をお墨付きで言えるんです。

就労移行に通う最大のメリットと言えるかもしれません。
だって、面接で「私は休まずに働けます」とアピールする精神障害者を信用出来ますかって話です。
誰もが採用されたいから、ウソや誇張が混じってる可能性があります。
証明するものが無いので、信用できないですよね。
その点、就労移行支援事業所が「この方は3か月休むことなく通所されています」と言ってくれたら、企業は安心できますよね。

就労移行支援に休まずに通う事が、内定に直接繋がっています。


と、メリットをつらつらと書きましたが、騙されちゃいけない点もあります。
就労移行支援事業所が出している就職率を信じちゃいけません。
改ざんしてるってわけじゃないですが、大抵の場合この中には「アルバイト採用者」が含まれています。
正社員採用率はほぼゼロだと思っても、あながち間違いじゃないです。
求人自体が殆ど無いので。

絶対正社員じゃないと…って方は、その考えを一旦忘れてください。
障害者枠では、契約社員を目指し、その中で「正社員登用あり(実績あり)」の求人を探すのが最も一般的なケースになるようです。
僕が見て来た企業は、基本このパターンでした。
実績があっても条件がきつい事もあって、現実的には「無期の契約社員」が「ゴール」になることが多そうですね。
正直厳しい現実ですよね。
せめて最低限の生活が出来るだけの給料を欲しい所ですが、手取り12~13万くらいのところが殆どで。

つらいよね。
好きで障害になった訳じゃないんでね。

終わりに

障害者採用率が上がったタイミングで、たまたま自分の就活のタイミングがあって、運よく求人が出ていた。
結局のところはこれに尽きるのですが、障害の整理はしっかりと出来ていたと思います。

どういった時にどのような症状が出て、どうすれば改善に向かうのかを説明できた。

この説明ができるまでに紆余曲折ありました。
1人じゃ絶対に出来なかった事。
就労移行支援に通ったメリットが確かにありました。

通所率のこともそうですが、1人じゃ出来ない支援を確実にしてくれるところであるのは疑いようが無く、就労移行支援のお陰で就職が出来たのは間違いありません。
時間がかかる事が欠点ですが、行き詰っている方のなにかのご参考になれば幸いです。