「相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断」 感想
「相棒 -劇場版IV- 」の記事です。
ネタバレあります。
結局サブタイトルは本編で一度も出て来ないのね
今回の脚本は太田愛さんだったのですね。
メインライターの輿水泰弘さんでは無かったとは…。
脚本家の変更というのは、前作と今作を比較した時に、非常にすっきりと僕の中では消化出来た感じです。
結局テーマは前作と同じだったと思うのですよ。
テロリストを出して、日本の平和ボケを訴えるというのは。
TVシリーズから「相棒」の裏テーマかというくらいしきりにやってるテーマの1つの集大成が前作の「劇場版Ⅲ」だったんじゃないかなと。
輿水さんの描くテーマの集大成。
それは失敗していたのです。
僕の中では。
前作は正直面白くなかった。
中身の無い事件に頭に入って来ない犯人の主張。
エンタメとしても社会派としても、未消化だったんですね。
でも、今回は面白かった。
事件の部分は、欲を言えばもう少しこうして欲しかったなというのはあるのですが、エンタメと社会派が見事に融合していて、事件とその裏に隠されていたメッセージが密接にリンクしていた。
そう言った意味で、面白かったと。
犯人側に感情移入出来た
右京が真犯人を庇って被弾するのではないかというのは、中盤まで見ると分かっちゃいますので、敢えて書きます。
これは宣伝を見ていて、ちゃんと話を追っかけてれば、誰でも中盤あたりで気付く作りになっていたのだと思う。
特命係が守りたかった日本の誇りとは何か。
国際大会の選手団が誇りだというのであれば、当然真犯人も誇りであり、それを守るのだなと。
でも、ことはそんな単純では無くて、最後の最後で「右京が守った本当のモノ」が分かるラストを見て、そうか…と。
右京はやっぱりどこまでいっても右京で、真実を守りたかったのだなと。
外国人テロリストとしての死を与えずに、1人の日本人を守った。
その上で、真相を知る唯一の人間と対話し、真相を明らかにした。
うん。
なんだか書いてるうちに、あれ?そんなことだっけ?と記憶が朧になってきましたが(汗
日本に捨てられたのに、日本を愛し、日本の為に死のうとした。
その心を分かるとは言えないけれど、犯人の行動に芯が通っていたから、妙に納得しちゃったんですよ。
今回、犯人側の動機・言いたい事が、あ~そうだよなと。
江守徹さん(が演じてた男)なんか守ってるのがバカバカしいっていうのも、うんうんと。
そうなるよねって心情を理解しちゃった。
感情移入出来ちゃったんですよ。
全く意味不明だった前作に比べて、だからですよね。
面白いと思えたのは。
右京の推理について
で、先程書いた欲を言えばの部分。
右京の推理が推理の域を出ていなかった点は、少々残念な部分。
一枚の写真からレイヴンの本当の標的を推理したのは良いのですが、証拠が無い。
憶測の域を出ないので、上層部が動こうとしなくても、無理は無いよなと思ってしまう。
ここはきちんと推理の域を超え、しっかりとした証拠を出した上で、頭の固い上層部が突っぱねるところにドラマが生まれたのになと。
それを跳ね除けて、右京の推理通りにことが運んで、カタルシスも生まれた。
この辺推理の部分が弱かったのは残念だったと感じます。
しっかりと推理させてほしかったですね。
そうじゃなかったので、毒の正体が分かった時に右京の主張が変わっちゃうんですよ。
犯人の狙いが選手団ではなく、それを見守る国民ですよと。
いや、選手団狙った言うてたの、右京さんだけっすよね?みたいな。
劇中では完全スルーというか、クライマックス的に煽ってましたけれど、なんかもにょる。
最初から右京に筋の通った推理を組み立てて欲しかったですね。
ココ以外の事件部分はしっかりとしていたので、余計に際立ってました。
最後に
イタミンの顔芸は卑怯ですわwww
声を出すのを必死に堪えるのが大変でした。