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「相棒ten」 最終回の感想と総括

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「相棒ten」最終回に関する感想と総括記事です。
ネタバレありますのでご注意下さいませ。

神戸卒業に関して

期待していたのとはちょっと違ったかなというのが正直な感想でした。

右京の正義感と神戸の考え方の対立というのは、神戸登場時から描かれていたことで。
それに対しての一つの決着を描かれていたのは良かったと思います。
でも個人的には神戸の贖罪に対するスタンスを中心に描いて欲しかったなと。
申し訳程度に盛り込まれてはおりましたけれどね。
でも、今シーズンのテーマだと思っていた分、肩すかし感は大きかったです。
ここが薄かった為、卒業も上層部からの強制的な「異動」で片づけられてしまって、想定通りというよりは急遽卒業が決まったのではと疑っちゃうようなものでしたし。
まぁ、今後もゲストとして出てくれる可能性を残した処置だったので、それはそれで良かったのですが。

人間ドラマに関して

少しだけ今回のメインとなった「右京の信念」について書いておきます。
相も変わらず、答えの無い論争を描かれているな〜と。
僕はどちらの考えも正しいと感じました。

心情的には、どう見ても神戸の方に分があります。
生まれてきた赤ん坊の事を考えるのであれば、彼の取った行動は称賛に値すると。
神戸と同じ考えを持つことは誰にでも出来ますが、彼の選んだ決断は誰にでも出来る事じゃ無いですからね。

その一方で、やはり右京の信念もまた正しいと思っちゃうのですよね。

どちらも正しくて。しかし一方を選択しなれければならない。
この作品の良い所は、こういう議論を提示しておきながら、作中で答えを出さない所にあるのかなと思います。
答えの無い問いに無理矢理答えを出されちゃうと、それこそエンタメ性が薄れちゃいますしね。
今回も論点をずらして、「神戸に罪を犯せるわけにはいかない」という理由を用いて上手い落としどころを作っていました。
しかもこれ、右京が神戸を「自分の信念を貫くよりも相棒を大切に考えている」とも取れるので、これが描かれただけでも良かったとも思えちゃいます。

ミステリーとしての「相棒ten」総括

この最終回は、正直謎解きの面白さ等々を完全に捨てていましたよね。
特に謎も無く、犯人も序盤で明かしてましたし。
この判断自体は良かったと思います。
それだけ人間ドラマに比重を置いたという事で、このドラマがただの謎解きミステリーでは無い事を端的に表していましたので。
欲を言えば、ミステリー面もしっかりとしたものにしつつ、かつ人間ドラマを濃厚に描いたものだったらなと思いますがw
いや、それが十分出来得ると思っていますので。このドラマならば。

で、これは僕がこのドラマに何を求めているのかという事に大きく関わってくるのですが…。
ミステリーとして見ると、年々面白みが薄れていっているように感じます。
流石にネタ切れなのか。はたまた人間ドラマに比重を割きつつあるからなのか。
面白いな〜と素直に思えるお話が少なかったという印象です。

正月の2時間スペシャルが今シーズンでは一番だったかな。個人的にはですが。

全体的に最終回と同レベルとまでは言いませんが、どこか謎解きよりも人間ドラマに比重が置かれていたような。
その為なのか全体的にも重くどんよりとした印象が強く、亀山相棒時代と比べてもコミカルさが失われつつあるというか。
うん。
貶してばかりで最低の記事ですね。

えと。次シリーズはミステリーとしても楽しめるエピソードが多く作られる事を期待します。

一つの終わりを迎えたと思います。

「相棒」は今回で一先ずの区切りを着けたと個人的には感じました。
ちょうど10シリーズ目ですし、何よりレギュラーを随分と失いましたから。

亀山夫妻から始まり、神戸、小野田、たまき。
作中で大きな存在感を示していたこれらのキャラを一掃しちゃいましたからね。
ゲストとして、過去のゲストキャラを再登場させていたというのも、なんだか終わる前のパーティ感を出していたと感じます。

右京が自らの信念を曲げたというのもドラマ的には大きいのかな。

そんな訳で今秋から始まる事が既定路線であるシーズン11では、新しいドラマが始まると思っています。
どんなシリーズになるのか。それもこれも新しい相棒次第になりそうですが、一先ず期待に胸を膨らませて待ちたいです。

個人的には社会派を意識したようなドラマは、無駄に重い上に見ていてもあまり楽しくは無いので、この色を薄めて欲しいですね。
初期からあるテーマみたいなものですけれど、此処最近は特に色濃く描かれていたように感じていましたし。
ここを薄めて、その分ミステリーとしての楽しみを追求したような原点回帰を願います。